今回から「撮影コンテ」のテーマを変える事にしました。
当初の構想では「海光樹36景」を1景づつ「撮影コンテ」で発表する予定でしたが、他の撮影地のコンテが掲載できず、片寄りすぎる傾向になることなどの理由で、また広く色々なジャンル及び各地の撮影地での撮影コンテを今後発表して行く為に変更する事に致しました。
従って「海光樹36景」は従来の完成作品を「今月の1枚」として掲載致します。ご期待下さい。
今回の「撮影コンテ」は昨年、晩秋の風景を求めて信州でロケーションハンティング(ロケハン)をしながらイメージを描き作成したものですが、当日の天候は曇天でした。状況1の作品を見ると分かると思いますが、普通の風景で、ただ写したという作品になってしまいます。
通常、光線条件を選んだり、焦点距離を変化させたり、前景の処理、画面内の空間の取り方、風景の切取り等が作品創作において、使われる普通の表現方法です。
しかし、この通常の状況をどの様に変化させればオリジナリティあふれる写真になるでしょうか。また、どのような表現をしたら良いでしょうか。
状況作品1を見ながらイメージトレーニングをして下さい。フィルターテクニックを使えば完成作品の様な、あなただけの作品が創作できるのです。
何回も述べてきましたが、この完成作品はパソコンの画像ソフトを使って作成したものではありません。フィルターテクニックによって創作した作品です。全てファインダーの中で状況の風景を見ながら、そしてフィルターを使用しながら、JPEGで記録してその場で作った作品なのです。RAWで記録して、帰宅してから時間の余裕を見ながら作成する必要が無く、無駄な時間を使うことも無く、自分の描いた独創的な作品を作れるのが、創作写真なのです。
- ①
- ②
- ③
- 山肌の部分を①とする
- 唐松林の部分を②とする
- 白樺の部分を③とする
- 白樺の前景を④とし、④をボカスと白樺と唐松林が強調される。そしてレタッチテクノフィルターで曇天の空を取り込み、左右隅まで水平構図になる様に描写させる。
- ④
- レタッチテクノフィルターで曇天の空(白ぽい空)を画面に取り入れる。
- (この白い部分は画面内にプラスαの意味あいと考えると良い。)
- ⑤
- 構想2で最も重要な描写が唐松に光が当たっているDの部分である。この部分を幻想的に仕上げる構想が大切である。
ベースにした色彩効果は、最もこの風景に適しているであろうとイメージしたフィルターを使った。
- ⑥
- ここでは画面上部の部分が重要で、画面内のアクション(光の変化)を感じさせる描写を描く事をイメージすると、この完成作品となる。
状況から完成作品にするプロセスを説明したが、通常の平凡な風景をイメージによって、描き作りあげる創作写真は写真デザインであり、パソコン加工作品とはまた違うのである。